第33回日本脳死・脳蘇生学会 総会・学術集会
一般社団法人 日本移植学会
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会長挨拶

 
第33回日本脳死・脳蘇生学会 総会・学術集会

第33回日本脳死・脳蘇生学会 総会・学術集会
会長 荒木 尚
(埼玉医科大学総合医療センター 高度救命救急センター 教授
埼玉県立小児医療センター 小児救命救急センター 外傷診療科長)

 
 

時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、歴史ある日本脳死・脳蘇生学会会長に推挙を受け、大任をお引き受けすることになりました。
第33回日本脳死・脳蘇生学会は、令和3年7月24日(土)に、完全WEB形式にて開催致します。

日本脳死・脳蘇生学会は、昭和63年に発足した脳死・脳蘇生研究会を母体とし、その後、多くの会員各位のご研鑽により、平成12年第13回総会より学会として承認を受け、以降重篤な中枢神経疾患の終末像である脳死の病態の解明、脳死診断に関する様々な議論を実現するためわが国唯一の学会として継続されて参りました。本学会の会員は、救命救急センター、救急医学、脳神経外科、内科、麻酔科など広い臨床分野の医師をはじめ、看護師、検査技師、移植コーデイネーターと多職種が参加する理想的な学会であり、高度な学術成果を共有する場でもあります。

2020年は臓器の移植に関する法律の改正からちょうど10年の節目を迎える年でもありました。しかしながら新型コロナウイルス感染症による未曽有の変動に社会全体が対応を迫られる事態に陥り、同時に当学術集会も多くのお力添えにより1年の延長期間を越えまして、今回無事開催を迎えることが出来ますことを深く御礼申し上げます。

小児からの脳死下臓器提供は、緩徐ながらも国内で実績を伸ばし社会的認知を深めつつありますが、様々な課題が指摘されており、それらの改善に期待が集まります。一方小児の神経集中治療は目覚ましい発展を遂げ、子どもの脳蘇生の限界をいかに決めるべきか世界的議論が興っています。その中で脳死診断の意義は最も大きな問題です。一方、最新の脳蘇生により幸いに救命された後も、高次脳機能障害などの障害を抱えながら、強く明るく毎日の歩みを続ける子ども達を、暖かく包みこみ、支え、導かねばなりません。

一方では、脳神経損傷の病態を理解し、最新テクノロジーを活用し、新治療の成果を勝ち取るためには、常識にとらわれず、改善への望みを決して諦めない、たゆまない「挑戦」を必要とします。障害を有する子ども達に希望を与える社会を目指すうえで医学的議論は、その根幹をなすところと考え、学会の主題を「子どもの脳死と脳蘇生-常識への挑戦」とさせて頂きました。私たちが未来の社会のために出来ることは、あらゆる改善に向けて挑み続けることであり、挑む人々を理解し支え、その姿から学び続けること、そして自分自身が挑むことであります。

WEBの利点を活かし、小児頭部外傷の診断と治療に関する碩学Anthony Figaji先生、虐待による頭部外傷(Abusive Head Trauma)に関する世界一の研究者Ann-Christine Duhaime先生に教育講演を頂きます。

この学会が、ご参加頂くすべての方々に生きる勇気と希望を与え、ひとつでも多くの課題に一条の光を見出す機会として頂けますならば、会長として望外の喜びでございます。

2021年3月

 
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